親ガチャ問題
親ガチャとは
「親ガチャ」とは、「子供は親を選べない」ということを、ガチャガチャに例えて表した言葉です。
ネットを中心に、今、色々と話題になっています。
「親をガチャガチャに例えるとは、けしからん!」と、一刀両断するのは簡単なんですが、せっかくなので、少し考えてみたいと思います。
貧富の差
私、新卒の新入社員と会う機会が多いのですが、最近の学生は、奨学金を貰って大学に通っている子が本当に多いです。
日本学生支援機構の調査【HP:https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/index.html】でも、年々、大学生の収入は減って、借りている奨学金は増えている事が分かります。
明らかに、日本の若者は貧しくなってきています。
老人優先の政治をとり続けてきたツケを若者が払わされているのが、よく分かります。
彼らは、多額の奨学金という借金を背負って社会に出ます。その後、平均給料は下がり続け、保険料、年金は上がり続けている中での長く苦しい返済の義務が始まるのです。
加えて、日本の労働環境は先進国と比べると、お粗末な環境です。
長時間労働は当たり前、残業代が出ないなんてザラです。
家庭の事情で大学に行けない子も大勢いますし、何より教育費なんてかけてもらえない子が多いです。
貧しくて十分な教育を受けられないから、また貧しくなるという、発展途上国のような負の連鎖が日本でも、そのまま起きています。
こんな現状では、貧富の差が固定して、生まれた家で人生が決まる。「親ガチャ」という言葉が出てきても当然と言えば当然です。
遺伝子
「サラブレッドは血で走る」という言葉がありますが、現在は遺伝子の研究が進んで、かなりの部分で遺伝子の影響が分かってきています。
もちろん、遺伝子のせいだけで結果が出るわけではないですが、かなりの部分が遺伝子に左右されるという、教育的には「不都合な真実」が分かってきてしまっています。
親から受け継ぐ遺伝子によって、大きく人生が左右される。
そんな現実も見てとれます。
でも、親もその親から遺伝子を受け継いでいるので、何とも言えない気持ちになりますが…
世襲
世の中の職業では世襲の多さが目につきます。
政治家に始まり、歌舞伎の世界、芸能界、中小企業の社長、地主なんかも世襲が非常に多いです。
世襲の良し悪しはとにかく、特定の職業につくのに親の影響が非常に大きいのは否定できません。
頑張って勉強して、一流大学に行って、一流企業に勤めても、地主の子供には、一生金銭的には敵わないというのが実状です。
まとめ
「親ガチャ」とは、最近流行っている言葉ではありますが、実状としては昔から続いている矛盾を指している言葉でもあります。
「士農工商」という身分制度があった時代は、とにかく家柄に見合った人生を送るわけですから、まさしく「親ガチャ」の時代です。
現代は、一見自由な時代ですから、「親ガチャ」という言葉が当てはまらないように思えますが、子供の親世代が貧しくなってきていることによって、影響が子供達にいき、苦労している子供達が増えてきていることが「親ガチャ」の一因に思えます。
とにかく、「親ガチャ」等と言わせないような、若者の未来が明るく感じられる国になってもらいたいものです。