ポンコツ親父のガラクタ日記

ポンコツ親父の下らないガラクタ日記です。ポンコツ雑記とガラクタ小説をあげています。お時間のある方は読んでやってください。m(_ _)m

犯人以外、全員探偵 2

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☟の続きです。 garakutablog.hateblo.jp

死体を取り囲み、男4人と女1人が立っている。

そのうちの1人、金田一が血の跡をダイイングメッセージと言い出した。俺には、ただ血が流れてるだけに見えるが、英語のIに見えると言うのだ。

「流石、かの有名な金田一先生。見事な推理です」いきなり、明智がよいしょを始めた。

「この中で、Iから始まる名前の人物は、阿笠育代さん。あなただけだ」明智は、何故か金田一に代わってお手伝いを指差す。

お前は、犯人は男だと言ったばかりだろう。と思ったが、俺は成り行きを見守った。

「馬鹿言わないでよ、そもそも、女の力で一撃で殴り殺せるはずないじゃない」阿笠は反論する。

そりゃそうだ。明智も数分前にそう言っていたし。

「そもそも、これはIじゃないわ、数字の1よ。つまり、101号室に泊まっている、貴方が犯人よ」阿笠は、明智を逆に指差す。

「私は、お手伝いは仮の姿。本当の姿は、探偵をしているのよ」阿笠は誇らしげに言う。

俺は、もはや驚かなくなっていた。

「な、何を言うんだ。これが数字の1なら201号室のコイツも怪しいじゃないか」明智はシャーベットを指差す。

「ノンノン、私デワナイ。コレハ金田一丿1デワナイデスカ」シャーベットは、金田一を指差す。

「な、何を言うんだ。儂のはずないだろう」

「いや、先生はこの主人と歳が近い、何か過去にあったんじゃないですか」明智が、ここぞとばかりにたたみ込む。

「何を言っておる。儂はダイイングメッセージは英語のIだと言っておろう。つまり、犯人は英国人じゃ」苦し紛れに、シャーベットを指差す。

「ノンノン、キット犯人ハ、近シイ人物デス。ツマリ、お手伝いサンデス」シャーベットは阿笠に罪をなすりつける。

「はぁ〜、馬鹿なんじゃないのアンタたち。だから、女には無理だって言ってんだろ」

「バ、馬鹿とは何だ、私は、東大を首席で……」明智が顔を真っ赤にして怒りだす。

「私ナンテ、オックスフォードデス」何故か学歴自慢が始まる。

犯人(俺)を置き去りにして、探偵どもがお互いに罪をなすりつけ、罵倒しあっている。

             

朝まで、あと5時間。俺は、少し睡眠をとるため現場を離れる。

こいつらになら、捕まらないだろう……