👾 Monster Ⅰ
我が家は変わっています。
街からだいぶ離れた場所にある我が家は、ちょっと古びた洋館です。ツタが外壁を覆い、薄暗い時に見ると、お化け屋敷そのものです。
私と弟は、街の子供達とよく遊ぶんだけど、兄はあまり遊ばずに家でゲームばっかりやってます。
我が家の周りには何も無くて池と森しかないけど、街に出ても田舎街だから、のんびりしたものです。
街の人達は大体が顔見知りだから、みんな顔を合わせると挨拶してくれます。
今日も帰り道で、畑の前で困った顔したおじさんと話しました。
「最近、熊やら猪が畑を荒らしてこまるんじゃ」
「そうなんだ、おじさん大変だね」
私と弟は、帰りに森に寄って、猪に言いました。
「畑を荒らしちゃ駄目よ!」
猪は荒くれ者で、「うるせー!」と言って、突進して来ました。
力持ちの弟が平手打ちをして、猪をのしました。 弟は、怪力のモンスターです。
それから、熊さんの所に行って、言いました。
「畑を荒らしちゃ駄目よ!」
「なんだ、お前は!」と言って、熊さんは襲ってきました。
今度は、私が熊さんにビンタして倒しました。
「最近、お山の上にリゾートホテルが建って、山に食べ物が無いんだよ」と泣きながら言いました。
「へぇ〜、そうなんだ。かわいそう」
私と弟は、お家に帰ってから、夕ご飯の時に今日の出来事を言いました。
お兄ちゃんはパソコンでカタカタ調べて、言いました。
「本当だ、新しいリゾートホテルが出来てるよ。プールやゴルフ場もあるよ」
お兄ちゃんはミイラ男だけど、パソコンが得意です。棺の中でもいつもパソコンをいじってます。
「へぇ〜、楽しそう」
それを聞いていたお父様が言いました。
「それならば、今度の日曜日にみんなで遊びに行こう」
お父様は、頭は雄牛のたくましいモンスターだけど、とっても優しいです。
「あら、良いわね。ついでに熊さん達のために木の実を植えてあげましょう」
お母様も言いました。お母様は怒ると恐いけど、とっても優しい魔法使いです。
「やったー!!」
私と弟は、喜びました。
日曜日が楽しみです。