ポンコツ親父のガラクタ日記

ポンコツ親父の下らないガラクタ日記です。ポンコツ雑記とガラクタ小説をあげています。お時間のある方は読んでやってください。m(_ _)m

タトゥ ②

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回復した女は、居着いてしまった。

 

名前はタトゥと言い、詳しくは言いたがらないが、身寄りがないらしい。ウズィも懐いてしまったので、追い出しにくくなってしまった。

     

タトゥは、ウズィの家事を手伝おうとするが、びっくりするくらい下手くそで、一回、食事を作った時は、流石にウズィも「不味い…」と言って残した。      

しかし、学はあるらしく、ウズィのパソコンを覗いては、ウズィに色々教えているみたいだった。

   

相変わらず、俺はソファに寝ているので、そろそろベッドを買いに行こうかと思いながら寝ながら思っていると、扉が開いてタトゥが顔を出す。

   

「トゥラン、ありがとう…」とだけ言うと、タトゥは扉を閉めた。

   

俺がガレージで機械いじりをしていると、ネイがやって来て、隣のイスに腰をおろす。    

タトゥが、ネイにコーヒーを出してやる。

 

ネイはそれを受け取って、奥に下がっていくタトゥを見ながら、「すっかり、居着いちまったな」と言う。

 

「あんたは、本当に物好きだよ。今に痛い目にあうぞ」と言って、コーヒーを一口飲んだ瞬間に吹き出した。

 

「不味っ! なんだよこりゃ!」    

そう言うネイの頭が、お盆で引っ叩かれた、タトゥだ。

 

また奥に下がっていくタトゥを見て、頭を押さえながらネイが「何なんだよ!」と嘆いた。

 

「お前は、何をしに来たんだ」と俺が聞くと、ネイは上着から小瓶を出した。

   

「これ、何だと思う?」ネイは嬉しそうに言う。

 

「液体の覚醒剤だ。これだけあれば1年は遊んで暮らせる額になるぞ」ネイが小瓶を振りながら言う。

 

「どうやって、手に入れたんだ?」  

「最近、ナゴの街のギャングのアジトが爆破されたの知ってるか?」

 

「あぁ、死の商人やってた連中だな」俺も、その連中がやってた事は知っている。武器や麻薬を世界的に売買していた連中だ。

 

「そうだ、あの爆破事件で、連中のボスが死んで、奴等は分裂状態だ。それで、奴等が持っていた麻薬や武器を残った連中が火事場どろぼうして各地で取引されているんだ」

 

「それで、何でお前が手に入れられたんだ。金無いだろう」俺が聞くと、表から怒鳴り声が聞こえた。