ポンコツ親父のガラクタ日記

ポンコツ親父の下らないガラクタ日記です。ポンコツ雑記とガラクタ小説をあげています。お時間のある方は読んでやってください。m(_ _)m

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言葉は大切だ。

どんなに相手には分かっているだろうと思っても、言葉にしないと伝わらない。

長年連れ添った夫婦でも、それは変わらない。

お互いにお喋りじゃないので、私は妻の一言に細心の注意を払い、意図を汲み取る。

妻は、平凡な日常を愛している。

私は、結婚前はそれなりのお金を稼げる組織に勤務していたが、平凡とは言えないので、妻の意向に従い転職した。

とにかく、妻は平凡を愛しているし、私はそんな妻を愛している。

こないだ、新幹線に乗った時なんかは、前の若者がどうやらクスリをやっているらしく騒いでいた。

「嫌だわ。」の一言が妻から出た。

私は、この一言を汲み取る。

娘の教育的にも、この若者の会話はよろしくないので排除する選択肢をとった。

若者の1人がトイレに立ち、戻ってくる頃合いに、私も立ち上がる。

通路ですれ違い、程なく若者を転倒させた。

私は、振り向きもせずにトイレに行き、ゆっくりと手を洗ってから席に戻った。

車内は騒然としており、次の停車駅では救急車が来て定時の到着に支障が出てしまった。

しかし、その後は静かな車内となったため、妻も満足したようだ。

娘がトイレに行った時に、妻が聞いてきた。

「何をしたの?」

私は、パンツのポケットからピアノ線を見せて答える。

「これを両足に引っ掛けた。」

私は、若者とすれ違う時にピアノ線を彼の両足に掛け、少し離れてから引っ張った。

「そう」と言って、妻は窓の外を眺める。

窓の外には、平和な田園が広がっている。

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