MUSCLE Ⅴ
👇この話の続き
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僕は、ジムがある市民体育館の講座から興味があるものを選んで受けるようになっていた。
ストレッチ講座やボクシング講座など、とにかく自分の筋肉を有効活用できるような動きを手に入れるため熱心に通った。
少ないながらも出来た友達とは、図書館で一緒に勉強をした。
非常に充実した日々だった。
この頃にはキックボクシングも習うようになり、一度、友達に絡んできた不良を半殺しにしてしまった。
僕の周りには、僕の学力に憧れた友達と、力に憧れた不良達が集まるようになっていた。
自然と女の子も集まるようになり、彼女も出来た。
ジムで久しぶりに会ったサイトウさんに、「お前は、ちょっと危なくなっているぞ」と忠告を受けた。
正直、何を言っているのか分からなかったが、「気を付けます」と言っておいた。
高校3年となり、僕は本格的に勉強に取り組み始めた。
相変わらずジムには行くが、とにかく勉強をしまくった。
僕はもう以前の冴えない不眠症の少年に戻りたくなかったので、とにかく前に進み、がむしゃらに頑張って勝利を掴みとらなければならなかった。
学校から帰って深夜まで勉強をしたし、その合間に筋肉を落としたくないのでトレーニングをした。
不眠症に悩まされていた頃のように、結局、眠りたいのに睡眠時間を削っていた。
僕の学力は、学年1位となり志望大学合格も現実的になってきた。僕の周りの友達は羨ましがった。
最近、トレーニングと勉強で疲れがたまり、集中力が保てなくなっている。
受験まであと2ヶ月、追い込みの時期がきている。
世間は冬となり、雪がちらつく季節がやってきた。来年の今頃はどうなっているのだろうか。