MUSCLE Ⅳ
👇この話の続き
💪 💪
久しぶりに制服に袖を通したが、腕も胸囲もパンパンだった。
まだ買ってから1年経っていないため、親に買い直してくれとは言い辛かったが、僕の姿を見て母親から制服を新調してくれると言ってきた。
両親は僕の高校復学を心から喜んでくれているようだった。
サイトウさんに高校復学の話をしたら、「頑張れよ」と言ってくれた。
前は、あんなに嫌だった学校だったが、久しぶりに行くというのに、今は不思議と何ともなかった。
実際、学校に行ってみると、周りは本当に僕なのか驚き、怪しんで誰も話しかけてこなかった。
僕は、マイペースに握力グリップを握りながら授業を聞き、昼には1人でカロリーコントロールされた弁当とプロテインを飲んだ。
自分に自信を持つと周りがこんなにも気にならなくなるものかと、我ながら驚いた。
一度、僕をからかっていた奴が、ビビリながら絡んできたが、「どけよ」と言って肩を押したら3メートルくらい飛んで転んでいた。
相変わらず、その集団にカツアゲされていた奴もいたので、「お前、カツアゲされていたの助けてやっただろう」と言ったら、2度と絡んで来なくなった。
こうして、僕は完璧な学校生活を手に入れた。
相変わらず、僕は周りから浮いていたが、引きこもり時代の勉強のおかげで学年トップクラスの成績をたたき出し、落第せずにすんだばかりか、教師からも一目おかれるようになった。
学校が終わるとジムに行き、トレーニングが休みの日は図書館で勉強した。
少しづつ、僕に話しかけてくる友達も出来てきた……