ポンコツ親父のガラクタ日記

ポンコツ親父の下らないガラクタ日記です。ポンコツ雑記とガラクタ小説をあげています。お時間のある方は読んでやってください。m(_ _)m

愛妻弁当

f:id:garakuta32:20211211103653j:plain

結婚して20年。

妻が、いきなり弁当を作ってくれるようになった。

それなりに上手いラーメン屋や定食屋を開拓していたので、若干ありがた迷惑なところがあるが、正直嬉しい。

タクシー稼業なので、電子レンジで温めることができないが、適当なところに車を停めて、すぐに食べることができるし、行列に並ばないのも良い。

最近腹が出てきたのを気にしているのか、質素な内容だが、公園なんかで食べると気分転換にもなる。

でも、野菜の煮物、ヒジキ、きんぴら、御飯に梅干しだけは少し寂しい。せめて、肉のひと欠片も欲しいものだ。

しかし、息子も高校に入り、妻もパートを始めたので、家計が厳しいのもあるのだろう。

妻が弁当を作ってくれるようになって、小遣いも減らなくなった。

たまには、花でも買って、早く帰ってプレゼントしてやろう。

今日は、公園のベンチに座り昼食をとることにした。

隣に座った爺さんが、話しかけてくる。

愛妻弁当ですか、羨ましいですな。」

少し照れくさいので、愛想笑いをする。

包みから弁当を取り出すと、いつもと違う弁当箱が出てくる。どうやら、息子の弁当と間違えたようだ。

「なかなか豪華なお弁当ですな。」爺さんが感心する。

確かに豪華だ。唐揚げにトンカツ、こんな豪華な弁当を毎日食ってるのか、アイツ……

豪華な食事に胃もたれしながら花を買って、早めに帰宅する。

俺の帰宅に気づかなかったのか、息子と妻が話している。

「母ちゃん、親父と弁当間違えただろう!煮物とかしか無かったよ。」

「あら、ごめん。パートあまりの惣菜を詰めただけだからね。」

俺は、花を落とした……

次の日、俺はタクシーを停めて行列に並ぶ。

お気に入りのラーメン屋からは、美味そうな香りが漂ってきた……

👇この運転手の話 garakutablog.hateblo.jp

garakutablog.hateblo.jp

garakutablog.hateblo.jp